「校長のつぶやき」(2月7日)

 昨日の午後、少し時間に余裕ができたので、3年数学の授業に補助として入りました。学習していた内容は、三平方の定理を使って、三角形の辺の長さや座標上の2点間の距離を求めるものでした。

 嬉しいことに、「教えてほしい!」と私の指導を求める生徒もいました。マンツーマンで教えるとほとんどの生徒が内容を理解し、教える方もやり甲斐を感じてきます。しかしそんな時、頭の中に「教え過ぎはよくないぞ」という考えがよぎります。

 多くの人も耳にしたことがある老子の格言に、「人に魚を与えれば1日で食べてしまうが、釣りの仕方を教えれば一生食べていける」というのがあるそうです。私は、学校での指導もこうありたいと思っています。教え過ぎは「魚を与えること」と同じで、自らが自立して(学んで)いく力を付けることには結びつきません。分からないことで学習が滞ってしまい過ぎるのはよくないことですが、その壁を自分で突破できるよう助言することが「釣りの仕方を教える」ことだと考えています。

 この4月から高校という新しい世界へ羽ばたく3年生です。高校では、小学校や中学校のように手厚い補助も期待はできません。そのため、中学校時代に比べて、より自立(自律)した学校生活を送ることを求められます。だからこそ、私が授業の補助にいく時には、1から10まで全てを教えるのではなく7や8で留め、自力の解決に至るよう見守った支援を心がけたいと思います。